長年付き合っていた彼氏と別れたばかりのはずだ [生活]

「結婚するんだ」 彼女は助手席の僕に告げた
「え? 誰と?」 僕は彼女の突然の告白に戸惑った
確か彼女は数ヶ月前に
長年付き合っていた彼氏と別れたばかりのはずだ
元彼以外に考えられる相手といえば…
「○○くんにプロポーズされた」淫インモラル
やっぱりそうだ…
○○くんとは、当時自分が働いていた仕事先の先輩
つまり彼女の同僚ということになる
21歳だった自分は
地図を作る会社にアルバイトで勤務していた
彼女はその会社で事務を担当する
自分より3つ年上のお姉さんだった

なぜだか理由はわからないけれど
昔から年上女性に可愛がってもらえる機会が少なくない
中学生1年の時に初めてもらったバレンタインのチョコは
中学3年生のヤンキーお姉様軍団の先輩からだった
この職場でも、最初から彼女に気に入られたようだった
慣れない職場で陰に日向にと常にフォローしてくれたし
一人寂しく昼ご飯を食べていると「一緒に食べよう」と話しかけてくれた
僕たちはすぐに仲良しになって
クルマの免許を持っていなかった僕を助手席に乗せ
仕事終わりにいろんな所へドライブに行った

当時彼女には長い間付き合っていた年上の彼氏がいたが、
あまりにも長い付き合いだったので
最近はマンネリ気味だと、いつも僕に愚痴っていた
僕は昔からお姉さんがほしかった
だから彼女といることがとても誇らしく
そして何よりも嬉しかった 楽しかった
会社の先輩の○○くんも、とても自分に優しくしてくれたアニキだった
年齢は当時26歳。彼女もいたが、やはり付き合いが長く、マンネリだった

三人でたまたま食事をしたとき
僕は「そんなに二人ともマンネリならお互い付き合っちゃえばいいのに」
と口にしたことがあった
そこからわずか数ヶ月後に
まさか本当に彼女の口からそれに値する言葉を聞くなんて…
自分自身が何気なく発した言葉だったから
ほんの少し後悔をし
なんだかとても切なくなった蔵秘男宝
この助手席にずっと乗っていたかったのに…
そんな自分の気持ちを知ってか知らずか
彼女の愛車フェスティバちゃんのカーステレオからは
自分のやり切れない想いを綴るバラードが
車内の沈黙を包むように流れていた
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